TESOL@ペンシルベニア大学

University of Pennsylvania 教育学大学院へのフルブライト奨学金留学

留学トラブル1 銀行のカードが届かない

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リスの二段腹を見たことがあるだろうか。Pennのリスは冬眠しないタイプのリスで、雪の積もった日にも活動していた。頭の上に何かポロポロ落ちてくると思ったら、リスが木の上で一生懸命木の実を食べている。しばらく観察していると、秋の間に土の中に埋めておいた木の実を掘り起こし始めた。ベンチの下で雪の積もらない場所に隠しているようだ。賢いやつは生き延びる。二段腹は賢さの証なのか。

 

センター試験が終わった。去年の今頃は高校3年担任で、センター試験会場前でメッセージ入りキットカットをばらまいていた。浪人しているあの子らはどうしているだろうか。去年はセンターリサーチの日に大雪で電車が止まり、数時間歩いて登校し震える生徒を慰めたり、登校できない生徒に電話でセンター試験の得点を尋ねたりして大騒ぎだった。つい昨日のことのように思い出す。毎年どんどん時の流れが速くなり恐ろしい。今年もセンター試験当日は各地で雪だったようで、受験生や保護者や学校関係者はさぞ辛い思いをしただろうと思う。いよいよ受験シーズン開始だ。どうかすべての受験生がベストを尽くせますように。

 

渡米して5か月になる。夏にアメリカに来たばかりの時にはトラブル続きで同級生に同情されるほどだった。銀行、寮、TAの仕事と社会保障番号申請、授業料支払いなどあらゆる場面で問い合わせと個別交渉と苦情申し立てを何度したか分からない。

先週、春学期の授業料支払いに関し再度トラブルがあり、久しぶりに個別交渉に行った。大学側の対応にプリプリ怒りながら、日本ならこんなことありえないのに、と日本のシステマティックなサービスを懐かしんだ。

慣れない土地での留学生活、日本とは異なりサービスは過剰ではないし、自分から動かないと何も解決しない。ここで留学生活でのトラブルをまとめてみることにした。

 

トラブル1 銀行のキャッシュカードが届かない

銀行口座を開設し、カードを手に入れないことにはすべては始まらない。授業料や寮費の支払いはすべてオンラインバンキング、カード番号で行われるし、フルブライトからの月々の生活費の振込も、初回だけは小切手が渡されたが2回目からは銀行振込だ。大学院の寮に到着し、翌日には早速銀行へ向かった。

バンクオブアメリカ、TDバンク、PNC銀行など近所に銀行もATMも多くある。渡米前にどの銀行で口座を開設しようかと比較検討してきたが、私はPNC銀行にした。

理由は2つ。ペンシルベニア大学ではPenn cardという、学生証兼、大学のあらゆる建物へのアクセスカード兼、コピーやプリントアウト用チャージカードがあるのだが、PNC銀行はそのPenn cardと連携し、銀行キャッシュカードやデビットカードとしても使用できるのだ。つまり、学生証をATMに突っ込むとお金が出てくるし、コンビニやレストランでの支払いもできるということだ。また、Penn cardを持参すれば学生口座として開設されるため、月額口座維持費やATM使用手数料は発生しない。そのためPNC銀行にした。Penn cardとの連動は、口座開設が済んだ後にPenn cardを銀行の機械に登録するようだ。

金曜日の午後に大学院寮に到着し、Penn cardの発行を済ませ、学生としての身分を証明するものを得た後、土曜日に銀行に向かった。アメリカの銀行は土曜日でも午前中であれば一部業務に限り営業しているところが多く、中には定休日を平日にして日曜営業のところもある。

土曜日に口座開設の申請を行ったため、開設は月曜日扱いになる。カードが手元に届くまで5日かかるとのことなので、10日分ほどの現金を手元に残し、それ以外の現金は口座に入れた。寮に住んでいるため受け取りに不安があり、支店での直接受け取りを希望したが断られた。カード発行を扱う部署が他の場所にあるため、郵送になるらしい。

 

1週間経ってもカードは届かない。月曜開設だからさらに翌週に持ち越しか、と気楽に考える。

10日経ってもカードは届かない。手元に残る現金が頼りなくなってきた。大学院の教科書を買う頃にはカードが届いているものと思っていたのに、これでは教科書も買えない。住んでいる寮費も払えない。いざとなれば当面の買い物は日本のクレジットカードで行う心づもりをする。

2週間経ってもカードは届かない。2か月前に口座開設をした友人に聞いてみると、6週間待ってもカードが届かなかったため再発行してもらったとのこと。そして本来のカードは結局行方知れずとのこと。

そうか、アメリカで2か月暮らすと銀行のキャッシュカードが届かなくても気にならないくらいに鷹揚になるのね、私も早くそうなりたいものだわ、いや多分そうならないわ、と思いながら銀行に出かけた。事情を話し、手持ちの現金がないのでこの場で引き出すか早急にカードを発行してほしいと頼むと、なぜかその場でキャッシュカードが発行された。カード発行は郵送のみ、と言ってませんでしたっけ??

もし2週間前に発送されたはずのカードが後に手元に届いたら、そのカードは無効になるのかと尋ねると、そのカードも普通に使えるそうだ。カード番号が異なるので別カード扱いになるらしい。

なんだかよく分からないまま、とりあえず目的は達成したのでホッとして帰った。

 

3週間後、銀行のキャッシュカードがやっと届いた。アメリカでの生活の全財産が入っている口座のキャッシュカードが普通郵便で無造作に寮の郵便受けに突っ込まれているのである。

なぜなのか。

アメリカ人の友人曰く、「もし普通郵便で行方不明になり、誰かが手にしたとしても、暗証番号があるから心配無用」とのこと。しかし、クレジットカードと同様で、カード番号さえあればオンラインで買い物もできちゃうし、スーパーやコンビニによっては暗証番号無しで買い物できるところもある。

細かいことを気にしていてはアメリカでは暮らせないようだ。

 

教訓1 銀行や郵便のサービスを信用せず、問題解決は強気の個別交渉が基本。

 

 

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