フルブライトエンリッチメントセミナー その2 1〜2日目
4泊5日で行われたフルブライトエンリッチメントセミナーには、50か国から90人のフルブライターが参加した。
テーマは "Educational Justice"「教育における正義」ということで、DCにあるジョージワシントン大学で開催された。
ハワイやカリフォルニアの大学院に通う人たちは飛行機での参加でアメリカ横断といった様子なのに、私はといえばフィラデルフィアからアムトラックで2時間の移動。近所でちょっぴり残念…と思いつつ、日本に置き換えれば東京−浜松くらいの距離なので、近所というほど近所でもない。しかしアメリカに住んでいるとなんだかとても近い気がする。NYに至ってはとても近所の感覚で、時期によっては往復5ドルや10ドルでフラっと遊びに行ける感覚だが、距離にすると東京−日光くらいのようだ。
1日目。夕方までにチェックインしたらよいのだがそこは近所というアドバンテージを活かし、お昼前に到着。夕方までたっぷり時間があるので、ナショナルモールへ行き、リンカーンに会い、ワシントンモニュメントまでひたすら歩く。
夕方にチェックインすると、部屋にはルームメイトのスーダン人の女性。フルブライトのセミナーでは、必ず2人1部屋だ。8月のオリエンテーションではインドネシア人の女性と5日間共に過ごした。
ルームメイトの彼女は、スーダンからvisiting researcherとしてアメリカ中西部の大学院に所属している。彼女の専攻は女性の権利と教育で、スーダンではそれらを推進する機関で働いているそうだ。会うなり質問攻めにしてしまった私に、嫌な顔一つせずに丁寧に答えてくれる彼女は、聡明で言葉の一つ一つがとても落ち着いており、経験と知識に裏付けられた力強い言葉と態度が印象的で、数分話しただけですっかり感動してしまった。世界にはこんなにすごい人がいるんだなあと感じ入った。
2台のバスに分乗してレセプション会場へ。ジョージワシントン大学の所有するとても素敵なPost Hallにてオープニングレセプションとディナー。
Post Hall | Mount Vernon Campus Events | The George Washington University
50か国からの参加者と話しながら、自分の、世界のさまざまな国や地域への知識があまりにも乏しいことに自己嫌悪気味になりつつ、食事するのも忘れてひたすらしゃべりまくる。
8月にあった、マイアミのオリエンテーションで出会ったカンボジア人の院生と南アフリカ共和国の院生と8か月ぶりの再会を喜び合った。
ホテルへ戻り、有志20人ほどでクラブへ。ビリヤードのある奥の部屋を貸切状態にしてもらい(大勢だから隔離された模様)、ビール片手に踊り、歌い、語る、というか叫ばないと聞こえない。ラテンアメリカ出身勢がラテンミュージックをリクエストし続け、ラテンダンス講座が始まる。若者パワーに圧倒されつつ、ラティーノ、ラティーナたちのリードの元、皆でラテンダンスで盛り上がる。皆より年長の私は、初日にしてちょっとくたびれる。
2日目。
午前中はジョージワシントン大学の教育学大学院の学長の講演とディスカッション。
ランチは専門分野ごとのグループに分かれ、自分の考える教育と正義についてディスカッションしながら食事をすませる。
午後は2年目のフルブライターたちを招き、研究内容のポスターセッション。
その後、国会議事堂に移動しキャピトルツアー。
ローザパークスにも会えた。他の人物が立像であるのに対し、彼女だけはバスで白人優先席から立ち上がらなかった時と同様に「座り続けて」いる。
大雨で震えながらの移動となったが、終了後のレセプションでは虹が出ていた。
終了後、夜はマイアミのオリエンテーションで出会った、タイ出身の医師で、ジョージタウン大学で法律を学ぶ院生が遊びに来てくれて、一緒にタイ料理を食べに行った。アメリカ各地に仲間がいる安心感。みんな頑張っているんだな、と感じることができた。