TESOL@ペンシルベニア大学

University of Pennsylvania 教育学大学院へのフルブライト奨学金留学

アメリカで英語を教える(上級クラス第9回)Holidays and Traditions

f:id:upenntesolfulbright:20161117100822j:plain大学院の主催する英語レッスンPEDALの授業9回目。今日のテーマはHolidays and Traditionsという、ホリデイシーズン前にふさわしいもの。今回の2時間の構成は以下の通り。

1. Brainstorming and discussion (Introduction)
2. Match-up & NY Thanksgiving (Meaning-focused Input)
3. Sequencing words & comic strips (Language-focused Learning)
4. Writing about holidays (Meaning-focused Output)
5. Describing procedures through video clips (Meaning-focused Output)
6. Story-telling (Fluency Development)

1. Brainstorming and discussion (Introduction)

生徒を2つのグループに分け、グループごとにアメリカの休日をできるだけ多く黒板に書き出す。書かれたものに目を通し、なじみのない休日について知っている生徒が説明する。リストに出なかったものについてはファシリテーターが説明する。

2. Match-up (Meaning-focused Input)

世界の伝統行事や休日について書かれている説明文のシートと、写真のシートを1枚、計2枚の異なるシートをそれぞれに配布する。生徒の国籍に合わせ、生徒の出身国のシートを入れている(日本、韓国、中国、台湾、ベトナム、イラン、フランス、スペイン、エクアドル、チリ、アルゼンチン)。生徒は自分の説明文に合致する写真を持つ生徒を見つけるのと同時に、写真に合致する説明文を持つ生徒も見つける。全員終了した後、面白いと感じたものはどれかについて生徒が発表する。

ニューヨークで行われるサンクスギビングのイベントリストを配布する。それぞれのイベントには内容と開催時間と料金が記載されている。それを元に生徒は、サンクスギビングをどのように過ごすか、朝から夜までの予定を作る。生徒はグループになり、繋ぎ言葉sequencing wordsを使いながら、1日の予定を発表する。

3. Sequencing words (Language-focused Learning)

繋ぎ言葉sequencing wordsが今日のlanguage focusである。生徒はブレーンストーミングで繋ぎ言葉をリストアップし、使用目的に応じてカテゴリ分けする。生徒とのインタラクションを交えながらパワーポイントで確認する。

オチのある8コマほどの2種類の漫画を1〜2コマごとにバラバラに切り、生徒に配布する。生徒は正しい順番に並べ替える。異なる漫画を持つ生徒同士でペアになり、sequencing wordsを用いながら口頭で漫画の内容を説明する。

4. Writing about holidays (Meaning-focused Output)

ワークシートを配布し、生徒は自分の出身国の好きな休日や伝統行事を書く。ワークシートには次の項目がある。何を祝うのか、誰と祝うのか、時期、食べ物、服装、特別な催し、その他自由記述。書いた後、生徒はグループで口頭で発表する。

5. Describing procedures through video clips (Meaning-focused Output)

ペアで向かい合わせになり、スクリーンに面している生徒は音声の無い映像を観て、その内容をsequencing wordsを用いて相手に説明する。説明を聞く方は、何についての映像なのかを推測する。終了後、音声付きで全員で再度観る。役割を交代し別の映像で繰り返す。映像の内容は、サンクスギビングのターキーを焼く手順と、イースターエッグの色付け手順。説明の際、turkeyとeasterの単語は使ってはならない。

6. Story-telling (Fluency Development)

生徒を3〜4人のグループに分ける。物語のはじまりの1文のみを与え、sequencing wordsを用いながら順番に1文ずつ自由に話を作る。3セット行い、それぞれ5分、3分、2分に時間設定し、徐々に短い時間でたくさんの文を繋ぐようにする。ファシリテーターは、生徒が作った文の数と、用いたsequencing wordsを数える。終了後、文の数とsequencing wordsの数をグループごとに発表する。どのような話を作ったか、全体で共有するために生徒に発表させる。

最初の1文は次の通り。

5歳のジャックはクリスマスの朝、早起きしました。

20歳のジャックは、バレンタインデーの1週間前、どうやって女の子をデートに誘おうかと考えていました。

25歳のジャックは、セントパトリックスデーのパーティーに誘われました。

 

今日も楽しく授業ができ、生徒もずっと笑顔で話を止めるのが申し訳なくなるほどだった。最後の活動では、ジャックにさまざまな冒険をさせてくれたようで、爆笑に次ぐ爆笑。しかもすべてのグループが、ことごとくsequencing wordsを使って物語を作っていた。

上級クラスの生徒はすでに英語は十分に運用でき、中には私よりはるかにできる生徒もいる。だからこそ、彼らの知的好奇心を満たし、さまざまな文化背景をもつクラスメートからお互いに学び合い、さらには英語力も少しステップアップできるような授業案と教材を作らなければならない。そこが最も難しいところであるが、面白いところでもある。