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TESOL@ペンシルベニア大学

University of Pennsylvania 教育学大学院へのフルブライト奨学金留学

難民に英語を教える その2 生きるための英語リテラシー

オープンスペースでの英語レッスン、今回の中級クラスの参加者は4人。全員が難民としてアメリカに入国した人だ。具体的な国名は控えるが、中東出身者が多かった。

私は中級クラスを担当したため英語のレベルは高いという共通点はあるものの、参加者のバックグラウンドはさまざまだ。つい数日前にアメリカに入国したばかりの人から数ヶ月前に入国した人、年齢層についても30代からかなりの年配まで幅広い。経歴も、自国では大学卒業後に専門職に就いていた人もいれば、自国でほとんど教育らしいものを受けたことがないという人もいる。中にはにっこり笑って、「戦争から逃げてきたの」と言う人もいて、返答に詰まる。

アメリカのコミュニティーベースの機関で大人に英語を教えると、はっとすることが多くある。教育を受けることが当たり前ではないのだ。

女性の中には、一度も学校というものに通ったことがないという人も多くいる。鉛筆を握ったこともなければ、「教科書」という概念がないため textbook という語が通じない。ましてや workbook などなおさらだ。紛らわしい2冊の本を識別するためにはgreen book や yellow book などと色で呼んだりしなければならない。

 

大人の識字教育の論文を読んでいたところ、第二言語としての英語を学ぶ学習者のリテラシーは3つのカテゴリーに分かれるそうだ。

pre-literateとは、自分の属す文化において書き言葉が存在しない学習者のこと。

non-literateとは、自分の属す文化において書き言葉はあるものの、それを習得していない学習者のこと。

semi-literateとは、自分の属す文化において書き言葉の存在と、それが意味をもつことを知ってはいるものの、書き言葉を完全には習得していない学習者のこと。

 

アメリカで移民や難民の大人が英語を学ぶのは、生きていくためだ。できるだけ早く仕事を得て生活基盤を築けるように。最初の仕事を得た後は、より給与の高い仕事にステップアップできるように。

 

今回、この機関を訪れ、参加者が一文字一文字を慈しむように、ゆっくり英語を書く姿がとても印象的だった。社会保障番号の申請のためにも、難民申請の手続き書類のためにも、仕事を得るためにも、とにかく英語を話し、書けないといけないのだ。

アメリカでは、ビザや税金申告や社会保障番号申請書類など、あらゆる書類の名前がアルファベットと数字でできている。フォーム2848 とか W-4 とか I-94 とか W-9S とか I-9 とか紛らわしい。いつも、なんでこんなに意味不明な数字とアルファベットの組み合わせなのだ、普通に◯◯申告書でいいじゃないか、と思っていたのだが、もしかしたらこれは、ある意味言語のユニバーサルデザインなのかもしれない。移民国家であるため、どんなバックグラウンドの人にも一目で判別できるような名前にしているのかもしれない。

 

次回こそ、授業内容について書こうと思う。現在学期末であらゆる課題に追われまくり、毎日何かしらの締切やグループプロジェクトのミーティングがあり、ちょっと自分が何をしているのかよくわからなくなってきたが、乗り切りたい。

 

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