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University of Pennsylvania 教育学大学院へのフルブライト奨学金留学

アメリカ大統領選

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ペンシルベニア大学のロースクールの開催するElection Watch Partyに参加した。アメリカ人がどんな風に政治に関わっているのか知りたい、そして新大統領誕生の瞬間を見守りたい、という気持ちでの参加だった。

ペンシルベニア大学はトランプ氏の卒業した大学であり、彼はWhartonに在籍していた。氏は選挙期間中も繰り返しWhartonやPennについて言及しているし、娘のTiffanyが今年の5月に同じくPennを卒業した際には式に出席している。しかしそのウォートンの学生と卒業生が今年の夏に、3700人を超える署名と共に、"You do not represent us"「あなたは私たちの代表ではない」、「ペンシルベニア大学ウォートンスクールでは、他者を敬い、清廉で謙虚であり、多様性を尊重するようにと教わっている」とpetitionを出しているほど、Pennでは氏に賛同する向きはない。

 

www.thedp.com

www.washingtonpost.com

 

最初のうちはピザとビール片手にお祭り騒ぎという雰囲気であったが、だんだんとswing stateの様相がリベラルなPennの予測と異なっていることがわかると空気は重く沈み、深夜0時にPenn Lawの講堂から追い出される頃には、抱き合い慰め合い泣いている学生も多数発生。

 

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大学院の寮に戻り、他の学生10人ほどと一緒にロビーでCNNを見守った。swing stateで激選区と言われたペンシルベニア州は2時になってもコールされない。ヒラリー氏とトランプ氏の得票率はコンマ1桁の差だ。他のメディアでは1時45分頃にはトランプ氏でコールされたようだが、CNNはそうは報道しない。

そんな中、CNN政治コメンテーターでオバマ大統領のもとspecial advisor on green jobsとして務めた経験もあるVan Jones氏が、「子どもにどう説明したらいいのか、他人をいじめてはいけない、偏見をもってはいけないと大人は子どもに教えてきて、そしてこの結果だ」と沈痛な面持ちで話し始めた上で、「これはwhite-lashである」と述べ、オバマ大統領の8年間の後の白人至上主義への揺れ戻しを指摘し、「トランプ氏には責任がある。彼自身が侮辱してきた人々の大統領になるということを再確認しなければならない」と述べた。
口々に意見を述べながらCNNを観ていた私たちは、彼の発言に静まり返った。誰ともなく、"YOU should be the President!"と言って沈黙は破られたが、ヴァンジョーンズ氏のこの言葉が今日最も心に残ったものだった。

 

www.usatoday.com

 

深夜2時すぎ、ペンシルベニア州が赤く染まるのを信じられない思いで眺めていた。フィラデルフィアとピッツバーグ以外は真っ赤で、最終的に赤い州となった。

 

トランプ大統領のもと、新たな4年間が始まる。アメリカがどのように変わっていくのか見届けたい。